今日は昼休みに嘱託医を引き受けている保育園の健診に行ってきました。診察が終わった後職員に、病気はかかりながら免疫ができるものだから集団生活ではある程度通過儀礼のようなものでしかたがない、でもせっかくワクチンがあるものは受けるように園でも働きかけてくださいねとお願い。

忙しさでついやり損なうことがあるんですよね・・・・そうそう、判ります。

話をした職員方は子どもさんはもう10代後半だそう。「それならば、もし女の子なら子宮頸癌予防ワクチンをしておいた方がいいですよ」というと、ワクチン自体を知らない人もあり、知っているけれどためらっている人もあり。

ためらうのは一つには費用の高いこと、もう一つの理由はワクチンについて説明することが気恥ずかしいと言う話が出ました。費用のことは確かに3回で45000円ですから予想していましたが、何といって説明するかに躊躇するという話はあらためてなるほどねと思いました。

日本の家庭では親子が性について話をする機会は余り無いのかもしれません。改まって話をする事を考えるとどうも・・・というのは想像できます。

でも、本当はとても大切なこと。だからこれがいいチャンスかもしれないのです。もしお母さん方が1対1ではうまく話せないと思ったら私達小児科医や産婦人科医を利用してくれたらと思います。

まあ、忙しい先生は「ハイ注射ね・プスリ・終わり」かもしれませんが。

(2010,5,25)

  ヒブワクチンに続いて、肺炎球菌ワクチン、サーバリックスと次々新しい予防接種がでてきて小児科医である自分でさえ感心している状態ですから、一般の方々に広まるのはもう少し時間がかかりそうです。

開業した頃の30年前とは病気は様変わりしました。これでヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンが行き渡ったらまた一段階変わるのでしょう。

早く全員に受けてほしいのですが、費用のことになると説明のトーンが落ちます。ワクチンが高くて親御さん達が大変なのが分かるのに、これ以上安くは出来ないし困ってしまいます。

  予防接種について急に問い合わせが増えるのは、マスコミで取り上げられた時で、しかも初めてのお子さんの親御さんからがほとんどです。

アメリカでも以前は兄弟姉妹のいない子どもの方が、いる子どもよりもすべての予防注射を受けている割合が高かったそうで、この問題が「コダック(Kodak)症候群」によるという見方もあると、ある情報誌にありました。何か新しい疾患か??とよく読みましたら、「コダック症候群」とは家族アルバムに一番年上の子どもの写真が。妹や弟よりもたくさんあるというものだそうで、予防接種もこれと共通点があるということでした。自分でも思い当たるふしもあります。

二人目以上の子どもに予防接種を受けさせるのは時間的にも経済的にもたいへんですから。

アメリカでは予防接種の公費負担を増やしたところ、この差が減ったのだそうです。

日本でも早くすこしでもいいから公費負担をふやしてほしいものです。そのためには当事者である親御さん達から当局やマスコミに働きかけて貰うのが一番効果があるのですが、なかなか一つにまとまるのは難しい様です。ヒブワクチンの導入には髄膜炎でお子さんを亡くされた方々などの親の会が大きな力として働いたのです。何とかならないかとぼやきつつ、目の前の親御さんに、子ども手当が出たら予防接種にあてるというのはどう?と勧めています。

(2010,2,23)

   先週今まで点滴ベッドを置いていたスペースをちょっとだけ模様替えし、白木のラウンドテーブルと肘掛けのついた椅子を入れました。カウンセリングに来られた方のためです。

今までは診察室のデスクの前に、私が大きな椅子に座り患者さんは背もたれのない丸イスに座っていただいていました。普通の診察はその方がおなかも背中もさっと見ることができて便利なのですが、この頃カウンセリングや心理相談に来られる方が、その椅子に50分座って話していかれるのは気になって仕方がありませんでした。

   新しいテーブルと椅子は、何よりも私自身が患者さんと同じ目線で落ち着いてお話が聞けるようでとてもよかったです。

本当は建物全体をもっと気持ちの休まる場所に造りかえられたら一番いいのですが。

今回はささやかですが、私の「上からアドバイスをするのでなく、一緒に探っていくお手伝いをします。」という姿勢の一つの形です。

(2009.9.15)

   最近はほとんどのお母さん方は母乳で育てたいと思っておられる様で、とても良いことだと思います。1ヶ月健診は母親と一緒に産婦人科で受けてこられるので、初めて小児科に来るのは3ヶ月健診のころが多く、中にはもう少し早ければ母乳がもっと出たかもしれないと残念に思うこともあります。

母乳だけでやっていけるかどうかは、産科から退院して1ヶ月、とにかくオッパイを吸って貰うことが大切です。

以下、昔々の自分の体験談です。

一人目。病院から家に帰り着くと急に赤ちゃんが小さく見え、自分が守っていかなければと言う思いですごく緊張。オッパイの含ませ方、抱き方、げっぷのさせ方、親子共々初めてのことで慣れないしくたびれて、飲んだか飲まないか分からないうちに赤ちゃんはうとうと寝てしまう。傍では心配そうなじじばばが、おなかがすいてるんじゃないの?ミルクを飲ませようか?と。こちらも不安になってミルクを飲ませたら、あっという間にミルクオンリー。ミルクは誰にでも飲ませてもらえて便利ですが、新米母親としては悲しかった。

二人目。2度目のことで不安はかなり少なくなり、育児にも慣れてきた。たっぷりでるオッパイではなかったようで、長い時間飲ませても直ぐに赤ちゃんはふにゃふにゃ言って、いつも足りない感じ。丁度子供らの預け先が見つからず4ヶ月ほど仕事に復帰できなかったので、腹をくくりミルクタンクになったつもりで、オッパイをくわえさせながら色々なことをしていた。ミルクは足さず。

結局赤ちゃんの体重はよく増え私も気持ちが安定。

三人目。初めから割とよく出ていた気配。でも産後8週で仕事に復帰。3日ほどで母乳はパッタリ止まる。

初めからたっぷりでる人も中にはいるのでしょうが、張っている割には余り出ないのが普通です。

更に緊張、不慣れ、睡眠不足、ストレス、があると出ない感じ

よくあるのは、そこで足りないのではと心配になって

ミルクを足す→オッパイを吸って貰う時間が減る→脳にもっと母乳出してのサインが届かない→母乳の量が増えない→足りない→ミルクを足す   のサイクルになって

ミルクオンリーになる、と言うケースです。

できれば

1.母乳の量が増える仕組み、乳首を痛めない抱き方吸わせ方、げっぷのさせ方を入院中によく教えて貰い練習する。

2.家に帰ったらお母さんが安心してオッパイを含ませていられるように周囲がサポート。

3.ただでさえ不安で自信がないのだから、周囲は「ミルクを足したら?」と安易に言わない。

4.赤ちゃんによって飲み方、げっぷの出し方、うんちのしかた、一人一人みな違うのだと思うこと。

5.もし分からなかったり不安だったら小児科で聞いたり経過をみてもらう

ついでに、「子どもはできれば二人以上を」のおすすめ

   一人目の子育てで、なんてしんどいと思っているお母さんへ

   不思議なことに、大変さは二人になったからといって倍にはならないのです。多くのお母さん方が「二人目は嘘のように楽です」とおっしゃいます。私もそうでした。色々な事情はあるかと思いますが、できることなら子どもは複数いた方が、親にとっても子どもにとっても変な緊張感が無くなって良いようです。

一人目は 一生懸命だった割りにはうまくいかず、二人目三人目となるに連れてかわいいと思えるようになりました。勿論、上の子もかわいいんです、でも楽しむ余裕が・・・。 

自分は一人っ子だった私の感想です。

(2009.8.1)

    余り名誉なことでもないので、書かないで置こうかともおもったのですが・・・・。

旅先で交通事故に遭い左鎖骨を骨折しました。運転していた夫の一瞬の居眠りで対向車線を横切りもんどり打って仰向けにされた亀状態。運転手はかすり傷一つ無く、私はシートベルトで骨1本で済みました。夫は海外ひとり旅から帰ってきたばかりで時差ボケが 治ってませんでした。

右手と頭と口は大丈夫なのであさってから診療しますが、三角巾で 腕をつっているので隠しようがないですね。患者さんから、お大事にと言われそうです。

それにしても、夫は何かに守られているとしか思えません。

(2009.7.20)

    実はかわいがっていた柴ワンコが10日前、心臓病で亡くなり、元気が出ません。こちらの方が随分慰められていたのだと思います。うちに来たのは生まれて35日目、両手の平に載るほどでした。

ワンコを飼ったのは初めてではなかったのですが、ちゃんと育てようと何冊も本を買いこみました。なるほどと分かったつもりで対しても、噛んだりほえたり、お散歩では引っ張るし、うまくいきません。

困って訓練士に家庭教師に来てもらいました。ほんの数回で見違えるような名犬ぶり。きらきらした目をして訓練士を見上げ指示に従うのです。何が違うか・・・・、賞罰はその瞬間に、誉めるときはオーバーな位に、叱るときは毅然と厳しく・・・・メリハリがちがうのです。

ワンコが悪いのではなく、飼い主の私がダメなのが分かり、「私をしつけてください」と言いそうになりました。

赤ちゃんの間はとにかく大切にかわいがる。絶対の信頼感ができたところで、良いことをほめ悪いことは本人がまずいと感じるように、メリハリつけてタイミングよく賞罰を繰り返す。体罰は絶対しない。そうすることで一緒に暮らしやすくなり、外にでても受け入れてもらえます

    思ったのは、人間の子育ても同じだ、ということでした。ワンコと、大事なうちの子を一緒にするなんて 、と怒らないでください。

でも、本当に似ていることが多いです。しゃべれないだけでその分、人の気持ちは察するし、何かするときそれがいたずらに見えるときでも、必ず理由があります。

しつけは大事ですがそれより大切なのは、自分はこの人に絶対愛されていると言う信頼感だと思います。それがないとしつけという名の虐待になりかねないです。

うちのワンコは私が余り小さいうちからちゃんとしつけようと気負いすぎたせいで、どこか本当に安心してなかった様で、いまでもちょっと心が痛みます。 

(2009.7.20)          

お問合せ・ご相談

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
028-680-5350

小児科医でもあるカウンセラーが、子どもたちと,むかし子どもだった人達が、
みなさんHappyでいられますように、心と身体のご相談をお受けいたします。

お気軽にお問合せください

お電話でのお問合せ

028-680-5350

家族と子どもの
カウンセリングルーム
「宇都宮」

住所

〒320-0026
栃木県宇都宮市馬場通り1丁目1−1 シテイタワー宇都宮1302号

アクセス

JR線「宇都宮」駅 徒歩15分、
東武宇都宮線「東武宇都宮」駅徒歩10分

駐車場はありませんが近隣に100円パークがあります。

*オフィスへの詳しい道順、入り方はご予約時にお伝えします。